昨日の発表会の極度の緊張で、なかなか寝付けなかったErill。一夜明けると、さすがに気持ちも落ち着きを取り戻しました。いつもなら12月になれば起こる祝祭気分に、クリスマス・イブ当日にして、やっと入ったようです。せっかくの24日の日曜日、二人で大阪は梅田スカイビルのドイツ・クリスマスマーケットに出掛けました。雰囲気が出るのは、夕方、クリスマスツリーが点灯してからなので、それまでいろいろと用を済ませることにしました。
午前中は、京都でTarlinのパスポート受理、楽器店で検討中のピアノの試弾、岡崎の洋食屋さんで名物のハヤシライスで昼食の後、大阪・梅田に移動、クリスマスのお買い物を済ませ、スカイビルへ向かいました。
ドイツ・クリスマス・マーケットは、初年度に一度来たことがありますが、今日はイブ当日とあり、スカイビルに通じる地下通路からすでに凄い人の波です。会場に着いても、その混雑は変わらず、おちおち写真もとれません。年々人気が高まっているそうですが、その余波で、メリーゴーランドやツリーの前からは、ポピュラーの賑やかなクリスマスの定番曲が流れています。初年度は、厳かにドイツ民謡調の合唱が流れていたのですが・・・
店も、初年度はドイツの物産がほとんどで、クリスマス・ビールや雪の結晶の刺繍入りの敷き布、ドイツ音楽のクリスマスソングのCDの小屋があり、ほとんどの小屋にドイツ人の店員がいて、本場の素朴かつ静かな雰囲気が漂っていましたが、今ではドイツの物をうる店は、ツリー飾りやワイン、お菓子など半分に減り、アジア雑貨やピザ屋など、ドイツと関係のない「売れ筋」の店が並んでいます。初年度の落ち着いた趣きを知る我々には、良さが失われてしまい、周りが賑やかであればあるほど淋しい気分になりました。
るようなビーフシチューで暖まり、お気に入りの築地という喫茶店で香り豊かなコーヒーを味わった後、京都を出ました。晩秋の似合う京の都、来年は、どんな紅葉を見せてくれるのでしょうか。
秋の終わりに、大木のゆったりした詩情に癒されました。 温室ではポインセチア展をやっていました。最近はピンクのものも出ているのですね。もうすぐクリスマスです。
植物園を出たのは5時前。京の冬の名物、底冷えが襲ってきます。お昼はみたらし団子のみですませ、空腹の我々、バスで四条に出、祇園の「銀の塔」というお店へ直行。ぽかぽかとろけ
もう年末、暮れにバタバタする毎年の愚は繰り返すまいと、リビングの大掃除を決行。 TalinはO型故、掃除も始めたら結構きっちりとしないと気が済みません。この辺が、「そこそこきれいになれば」思想のA型であるTarlin母と違うところです。 しかし、不思議なのはErill。同じO型にもかかわらず、「何も、そこまでやらなくても・・・」などと曰うのです。それどころか、「そこそこ散らかっている方が落ち着く」などという始末。 とんでもない
O型です。
と、まぁ、こんな話はどうでもいいのですが、掃除も佳境に入り出した頃、みんなのお腹の虫も騒ぎだし、Erill が「何か買いに行こ」とか、Tarlin母が「何か食べに行こ」とか、一人埃まみれになって奮戦している
Tarlin にふざけた言葉を投げかけます。しかし、今まさに掃除の天王山という場面で茶々を入れられたくなかったので、Tarlinの独裁裁定で宅配ピザをとることにしました。で、本題はここからです。相変わらず長い前置きお許し下さい。
m(_ _)m Erillがピザ屋さんに電話をして注文した後、興奮気味に「ねぇねぇ」と嬉しそうに話しかけてくるではありませんか。話の内容を聞くとこうです。「ピザを注文したら、住所とか聞かれて・・・」 まぁ、当たり前ですな。
「その後に、お宅は一軒家ですかって聞かれた。」 ふむふむ・・・ うん? 「一軒家?」
12月第一週の週末。最盛期は過ぎましたが、紅葉は終焉前の最後の彩りを見せています。先先週は別件で出かけ損ねたTarlinとErillも、京都に紅葉散策に繰り出しました。
最初に訪れたのは、下鴨神社、糺(ただす)の森。ここは、楓の種類が違うのか、土地の条件なのか、紅葉は他よりかなり遅れます。今行くと、5分〜7分くらいで、緑から朱まで五色の色合いが美しい・・・と思いきや、枝先にわずかに朱が差している程度。みごとな緑の参道です・・・(-_-;。あと10日は待たないとだめでしょうか。
国宝の社殿に参拝した後、参道を少し戻り、糺の森の入り口にある河合神社に寄ってみました。ここは普通の楓で、紅葉はもう終わりかけでしたが、社殿の佇まいが麗しく、狭めの境内に、小さいながらも檜皮葺の屋根に黒塗りの壁が重厚な、精巧な細工のようです。鴨長明が方丈記を執筆した庵が復元され、資料の展示もあります。文学とのゆかりが、また風情をかきたてます。心に残る、雅な神社でした。
空気の乾燥度合いが少し悪いようで少し霞がかかってしまっていますが、いつもは山容すら伺うことが出来ないのに比べれば上々です。 しばし、その雄姿に時間も忘れて見とれてしまいました。
その後は、日本三大鰤の一つ「氷見鰤」を買い付けるために、魚屋さん(氷見の町の商店街には魚屋さんがたくさんあります)に行って、小ぶりの鰤を一本(去年の日記にも書きましたが、正月前では、一本・片身・4分の1ブロックという買い方がデフォルトのようです)買いました。 その場で捌いてもらって、半身は
Erill の実家に送りました。氷見の鰤は新鮮なので、クール宅○便で送れば、翌日でも十分刺身で食べることができます。 そして、我々も気付けばお腹がへってきていたので、小川屋食堂という小さなお店で、遅めのお昼ご飯をとることにしました。 店内に入ると地元のおやじさん達が昼間から酒盛りしていて、
お世辞にも綺麗なお店ではありませんでした(Erillが選んだお店ですが、店に入った瞬間、「しまった」と思ったみたいです)が、でてきた料理を食べてびっくり・・・ 刺身と魚の天ぷらは、まさしく舌がとろけるような美味しさでした。
「地元のおやじが集うお店」 = 「安くて美味しい」
という方程式を再認識した瞬間でした。
12月も押し詰まってくると、Tarlin はそわそわし始めます。 まぁ、こんなお歳なのでお年玉をもらえるわけでもないのでお正月が待ち遠しいというわけではありません。 では、何にそわそわするのかというと・・・ それは、富山のお天気情報がどうなのか気になってそわそわとしだすのです。 実は、ずっと以前から能登半島の付け根にある雨晴海岸から、海越しに冠雪した立山連峰を見てみたい(3千メートル級の連峰が海越しに見えるという風景は世界にも数えるほどしか無いそうです)という願いがあったのです。 それも、年末休暇に入って、付近の工場も停止した澄んだ空気の下で・・・ 「じゃ、行けばいいじゃん」という事なのですが、確かに行くのは難しくはありません。しかし、願っている雄姿を見るのは並大抵ではないのです。雨晴海岸付近が単に晴れていても拝むことができません。立山を含めた一体が高気圧に覆われて、しかも空気が乾燥しなければなりません。 実際に、Tarlin
は過去に数度と無くチャレンジして、いつも空振りに終わり、その腹いせに焼け寿司を食って帰るという不幸に見舞われ続けています。 そして、今年も、12月31日の富山県地方が晴れるとの天気予報だけを頼りに、長駆、京都の家を出発したのでした。
して、その結果は・・・
それでも、前にはなかったドイツの味、北ドイツの「スモークハムサンド」なるものを売る小屋を発見。いかにもドイツ職人気質のおじさんが、「Lecker!Lecker!Lecker!(レッカーレッカーレッカー=旨いよ!旨いよ!旨いよ!)」とドイツ語で威勢良く呼び込むのも、よい雰囲気です。さっそく試してみました。香ばしいドイツパンにタマネギの甘みがスモークハムの味を引き立て、素朴な美味しさです。その後は、ポカポカのグリューワインを呑みながら、定番のソーセージを試しましたが、ドイツらしいしっかりした味わいに舌も心も満たされました。
お土産にグリューワインを一本購入。電子レンジで1分、温めて飲むそうです。寒い日に、楽しみたいと思います。そういえば、ドイツのグリューワインはシナモンとかスパイスだけですが、デンマークのクリスマス用シナモン入りホット赤ワインはグレッグと言って、レーズンやナッツも入り、もう少しマイルドな味です。またいつか、飲んでみたいなあ。
圧巻は、ふうの木。池のほとりに一本だけ佇む大木が、空いっぱいに枝を広げ、全身朱く染まる姿は、時を忘れさせます。
気持ちもお腹も満腹になって、京都に向けて帰る途中、再び雨晴海岸に寄ってみました。すると、霞も多くなってきていましたが西日が山の頂上を朱に染め上げて、昼間とは違った、暖かみのある美しさを醸し出していました。でも、地元の方の話を伺っていると、今日程度では大したことはないようで、稀に、ほれぼれするような立山が顕れることがあるそうです。いつかは、そんな立山連峰を見てみたい。という希望を抱いて家路につきました。
「・・・いっけんや」 ・・・ 「い・っ・け・ん・や〜」 えぇ、久々に心地よく笑わせていただきました。「一戸建て」のことを「一軒家」にすり替えるピザ屋の店員。すばらしいギャグセンスです。しかし、単なるボキャ貧ということも考えられます。真相は分かりませんが、一軒家を目指してピザはその15分後に到着しました。 めでたしめでたし。
加茂みたらし茶屋で、名物のみたらし団子を食べ、バスに乗って府立植物園へ向かいました。広い敷地には人もまばらで、ゆったり散策できます。池の周りにつくられた楓の森の紅葉は、最盛期は過ぎたものの、午後の日に照らされ艶やかに輝いています。