2006年11月5日(日) 秋の舞鶴を歩く 

 今月10日に舞鶴を引き上げを控えての最後の週末。行き残した所を訪ねる最後のチャンスです。Tarlinは不幸にも休日出勤なので、Erilll一人で金剛院というお寺を訪ねてみました。
 金剛院は、舞鶴市からバスで15分の所にあります。バスを降りて、せせらぎに沿って歩き出すと、流れの上を猛スピードで飛び過ぎていく2匹の小鳥が目に飛び込んできました。あまりの速度で、色や形すらはっきりと判別できないほどですが、一瞬止まったその姿は、赤・青・碧の鮮やかな色彩。間違いなくカワセミです。生まれて初めて見たその姿の鮮やかさに、感激してしまいました。

 お話では、舞鶴・若狭一帯は、昔は海上交通で大変文化が栄えた所で、寺社が航海の守り神として信仰を集めた歴史があり、仏像や建築など文化財を持つお寺が多数残っているとのこと。ちなみに、紅葉は、温暖化の影響で年々遅くなっているが、本来なら11月のこの時期には既に終わっていたそうです。紅葉、見えなくて本当に残念でした。
 金剛院を後にして、3km先の松尾寺に行ってみることにしました。金剛院から1時間くらい、と聞いたので、気楽に構えていたら、だんだんと上り坂になっていきます。急ではないのですが、アスファルトの歩道が足に厳しく、なかなか登りがいがあります。それもそのはず、松尾寺は西国33カ所第29番札所、京都府と福井県の境を成す青葉山の中腹なのでした。

 徒歩10数分ほどで金剛院の門が見えてきました。金剛院は、真言宗のお寺で、山麓の斜面に、楓の木立の中に三重の塔、本堂、鐘楼と上から下へと登るように配した境内の佇まいは大変美しく、特に紅葉の頃は見事で、三島由紀夫も「金閣寺」でその様子を讃えています。今年はまだやっと色づき始めたばかりで、残念ながら最盛期はまだ先のようです。このお寺には重要文化財の仏像が6体あります。拝観を申し込むと、学識豊かな若手のお坊さんが一体一体、丁寧に案内してくれました。

 重い足で石段を登り、着いた境内は、山門から本堂まで、小粒ながら実に清らかな佇まいです。自分の足で登って来たため、ことさら霊気に心洗われます。巡礼とは、こんなに清々しいものなのでしょうか。いつか、人生の節目で四国八十八カ所を歩いてみたくなりました。
 寺を降りようとすると、大きな山猿が一匹、境内を駆け抜けて行きます。お寺の人は名前をつけて親しんでいる様子で、立派なつやつやした毛並みのお猿さまでした。

 駅に戻ると、3時前。松尾寺で声をかけてくれた西国33カ所を巡っているというご夫妻と話をしていると、あっという間に帰りの電車が来ました。合わせて6kmは歩いたでしょうか。一人ながら、絶えず人や動物との出会いがあり、楽しい休日でした。

2006年11月9日(木) さらば舞鶴 

 明日、11月10日は、舞鶴に囚われていた Tarlin が栄光の御殿「レオパレス21」からめでたくも強制退去させられる日なのです。 まぁ、引っ越しの準備は、昨日より、転がり込んでいた Erill にお任せして、Tarlin はいつものようにお仕事に出掛けて行きました。 しかし、仕事中も気がそぞろなのでした。 えっ、 Erill がロフトから落っこちて泣いていないかとか?  いいえ、そんなことではありません。 舞鶴に始めてきた5月5日(過去日記見てね)に、その美味しさに感動したレストランタケウチでのラストディナーが待っているからなのです。 「つまらん仕事が舞い込んできたりしたら、いやよ〜〜」と、びくつきながら定時になると「さ・さ・さいなら〜」と現場を後にしたのでした。
 落日の我が城に帰ると、感心にも Erill 君は立派に勤めを果たしており、これで明日の引っ越しも心配ありません。 そして、気分も晴れやかにラストディナーに出掛けたのでした。最初に来たときも、その美味しさに感動しましたが、舞鶴最後の日の食事は格別でした。こうしてTarlin の単身赴任生活も終わりを迎えました・・・  無事、お勤めを果たせたのも何度もお家との間を往復してくれた Erill のおかげでした。感謝。

2006年11月18日(土) パーティーな1日 

 今日は、Tarlin 姉上の結婚20周年目のお祝いとして、祝賀会もどきのすき焼きパーティ(姉上、ご指定)を催しました。本当は、もう少し早くするところだったのですが、何しろ、Tarlin が舞鶴で虜囚のなっていたため、今日まで伸び伸びになってしまっていたのです。 以前にも書いたかもしれませんが、すき焼きパーティほど手間のかからないものはありません。 何しろ、材料さえ揃えば、あとは、それをすき焼き鍋にぶち込むだけです。 ですから、パーティと言っても特に何かを支度するわけではなく、3時頃に、「そろそろ、材料を調達にいくべぇか。」みたいな、まるでその日暮らしの狩猟民のような気分で居られるところが Good。 
 さて、パーティの方ですが、開始前に、12月にピアノの発表会を控えている Erill が度胸試しの為に、演奏を聴いて欲しいと宣うので、まずは、Erillのスーパープチコンサートを行い、あとは、鍋をつつきつつ、酒をのみつつ、楽しく時間が過ぎていきました。 そして、最後に、姉上が記念旅行に上高地に出掛けた際のデジカメ写真上映会を行ってお開きになりました。 その際の写真で、西穂高の素晴らしい三段紅葉の写真がありましたので、拝借してこの場で紹介します。 えっ、「三段紅葉って何。」 ですか。 三段紅葉はとは、高山において、中腹辺りで紅葉が真っ盛り、中腹以下はまだ紅葉が始まっておらず、頂上付近では冠雪するという、上から、白・赤黄・緑と色が3色揃うことを言います。更に、これで上空の天気が晴れていれば、空の青色も含めて更に素晴らしい、四段染めとも言われます。 どうですか、お勉強になりましたか。 これからも強要豊かな、あっ、もとい、教養豊かな当日記をよろしくおねがいしたします。 

2006年11月28日(火) ノロわれた館 

 本日、 Tarlin は会社もいかずに、家でぶらぶらしております。 決して、首になったわけではありません。そうです、すべては、昨日の不幸な出来事から始まっているのです。 それでは、昨日の不幸な出来事についてご説明申し上げます。
 「さぁ、今週も1週間が始まる。素敵な朝だ〜。」と、自分を偽りつつ奮い立たせる月曜日。しかし、偽らせ方が足りないのでしょうか? なんか食欲がありません。 Erill には、「なんか、昨日の晩、食べ過ぎたみたいで食欲無いから、朝ご飯はいらん・・・」と言って職場に向かいました。 そして職場についてからが大変。 まずは、お腹の調子が・・・。(ここからは、公序良俗に反しますので、詳細は記しません。)そして、だんだんと顔が火照ってきて、しまいには、身体の節々で、ピシン、ピシンと音を立てるように電気が走るような痺れを感じます。 はっきり言ってこれは やばい と言えます。あまり病気をしない Tarlin ですが、インフルエンザさんには好かれているようで、毎年のように住み着かれます。 あまりお友達にはなりたくないので、 ここ数年は、3000円も出し、痛みにも耐えて予防接種を受けて寄りつかれないようにしています。 ですが、最近、冷たくしているので、予防接種を受ける前に先回りしてお越しになられたのかもしれません。 いずれにしても、この兆候はやばいです。 ということで、どうしても出なければならない会議だけ出て、昼過ぎには、防衛体制をとるべく、「明日も休みます。」と早々と宣言(すでに初段の防衛戦が突破されている以上、長期戦を覚悟しなければなりません)して、お家に帰ったのでした。 家についた3時頃には、熱は既に38度まで上昇しています。「はやく、インフルエンザさんにお引き取りいただけると言われる伝説の薬、タミフル を手に入れねば」と思いつつも、行きつけのお医者さんの診療は5時にならないと始まりません。 そして、5時になってお医者様に行ったのですが、やはり流行っているのでしょうか、病人でいっぱいで40分近くも待つことに・・・。「このままでは、タミフル隊の投入も手遅れになるのでは・・・」と不安と戦っていると、やっと順番が回ってきました。 「は・は・は・や・く・ タミフルゥ.。」と目で訴える Tarlin を横目に、機械的に症状を伺われる先生。「このままでは、手遅れにぃ〜なりまする。」と更に訴えたのが効いたのでしょうか。 おもむろに、「よし、分かった。」みたいな感じで、一枚の書類を取り出されました。 おお、タミフルの投与で事故が起こったりするらしいから、その説明ね。と思いきや、「これ、読んでください」と差し出された紙を見て目が点になりました。(・・) 「ノロウィルスが流行っています」との題目の下に、ごちゃごちゃと説明がされています。 まぁ、要はこうです。 「あなたは、ノロウィルスに感染しちゃってます。 かかっている間はしんどいけど1〜2日で良くなるので、辛抱してね。特効薬は無いからね。 それよりも、これって、他の人に移るから、自分のことよりも他の人に移さないように注意してね。 人に迷惑かけちゃだめよ。」 そして、先生も、保菌者Tarlin が恐ろしいのか、「分かったら、いい子だから、早く、私の前から立ち去りなさい。」みたいな感じでした。
 長くなってしまいましたが、これが、昨日の不幸話です。 確かに、説明書きに書いてあった通り、Tarlin は、本日の目覚めと同時に、復活の兆しがあり、お昼頃には完全復活しました。 しかし、Tarlin母が朝から、「食欲がない・・・」などと言い出し、夕方にはErill が「少し熱っぽい」などと言い出します。 そうです、二次感染ってやつかもしれません。 ということで、本日、 Tarlin家 は病の巣窟と化しています。 恐ろしや。