2004年5月
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2006年10月12日(木) 舞鶴の休日

 先週の三連休はお休みのなかったTarlin、今日から久々の三連休です。お天気もなかなかよさそう。せっかく舞鶴にいるのだし、この三日間はErillもいっしょに近くの名所を廻ることにしました。
 北京都といえば、丹後半島。舞鶴からも車で一時間足らずです。初日の今日は、兼ねてから行てみたかった伊根町に行くことにしました。車で三十分も走ると、日本海が見えてきます。しかし、天気予報は「晴れ」にもかかわらず、空は一面の薄雲。晴天なら紺碧のはずの海も、灰色に沈んでいます。とりあえず伊根町まで来たものの、海も風景も色彩は今ひとつ。明日も明後日も休みだし、今日は一旦戻って、晴れの日に出直すことにしました。
 ちょうど昼時になったので、西舞鶴の「とれとれ市場」に寄り、刺身と串焼きで取れたての海の幸を味わい、さて、午後はどこへ?
 舞鶴で屋内で楽しめる所、かつ5月に舞鶴を回ったときに未見の所、ということで、「エル・マールまいづる」に行ってみることにしました。海に浮かぶ船がそのまま関西電力のPR館になった格好で、内部にはアンティークな客船の船長室や談話室、舞鶴の自然や文化の展示、プラネタリウムもあって、なかなか楽しめました。展望デッキに登ると、護岸でたくさんの人が釣り糸を垂れています。どの人も、アジと覚しき小魚を、面白いように次々と釣り上げています。エル・マールの周りは、舞鶴親海公園で、海釣りが出来るように整備されており、地元の人に親しまれているようでした。
 小粒ながらも、しっかり楽しめる舞鶴。おかげで充実した一日でした。

追記:西舞鶴には、北朝鮮専用埠頭があります。この日、近くを通りかかったTarlinとErill、黒々と雲霞のような積み荷を満載した、緑の小型船を2隻目撃。船体よりも体積がありそうな、うずたかく積み上がった黒い積み荷の山が、異様かつ強烈な印象です。一体、何、と思いきや、その正体は、その夜のニュースで判明。中古自転車の山だったのですね。実際に乗るよりも、溶かして鉄を取るのでしょうか。はからずも、経済制裁前、最後の北朝鮮の船を目撃してしまいました。
最初に北朝鮮の船を見たのは、5月。錆だらけのぼろ船で、てっきり廃船と思いきや、地元ガイドさん曰く、北朝鮮籍の現役船、とのこと。恐るべし、究極のリサイクル国家、北朝鮮。

 今日は、朝から快晴。絶好のお出かけ日和です。昨日、曇天のため引き返した伊根町に再び向かいました。 空も海も蒼く冴え、昨日とは全く違う風景が広がっています。
 伊根町は、湾を遊覧する舟が出ていて、海から舟屋を眺めることが出来ます。朝の光を浴びて、一列に並ぶ舟屋の姿は、静かにして穏やかです。

2006年10月13日(金) 丹後半島を巡る

 世間と違う日程の三連休最後の日。今日もよく晴れています。今日は舞鶴で行き残していた海軍記念館を訪ねることにしました。海上自衛隊の敷地内にあり、旧海軍機関学校大講堂を資料館として休日に一般公開しているもので、赤煉瓦の美しい明治期の洋館です。しかし、このご時世です。ジョンイル君の理不尽な我が儘のおかげで、よもや公開中止、なんてことになっているかもしれません。途中、駅の観光案内所で問い合わせると、「今日は公開してます。」と、お姉さん。やれ、これで安心と、市内から赤煉瓦倉庫群へと続く遊歩道を歩いて、はるばる25分かけて自衛隊桟橋までやってきました。しかし、何やら普段と様子が違います。普段の休日なら、見学者が艦船の上で楽しげに屯っているのですが、今日は船の数も半分以下で、厳重な雰囲気。もしや、と思いつつも記念館のある敷地の入り口まで入ってみると、無慈悲にも「本日、業務のため公開しておりません。」の看板が。観光案内所、仕事してよ(-_-〆。それもこれも北朝鮮のおかげです。このままでは、Erillのチャングム・ツアーまで、かけ声倒れになりそうです。旅の楽しみも、平和だからこそ。平和と安定を希求致します。
 仕方がないので、次に来たバスを拾って五老岳に登ってみました。秋晴れの舞鶴湾の風光は、空も海も澄み、明媚そのものでした。

2006年10月14日(土) 天の橋立

 舟から下りて、今度は高台にある舟屋の里公園へ行ってみました。小高い山の上から、伊根湾と舟屋の町並みを一望することが出来ます。複雑に入り組んだ陸に抱かれて、静かな入り江が広がっています。この地形に恵まれたからこそ、舟屋の造りが出来たことが伺えます。
 公園の角から海沿いの道に続く石段を下りて、舟屋の町並みを散策してみました。軒先に干してある魚やイカの干物が、漁村の風情を醸します。

近くで見る舟屋は、奥行きがかなりあります。1階が舟や海産物の格納庫、2階が住まいとなる構造から、自然と「うなぎの寝床」になったのでしょう。昼食は、舟屋を眺められるお食事処「なぎさ」で、刺身定食。目の前の海で、朝水揚げされたばかりの取れたての魚とイカは、絶品でした。
 午後、伊根町を後にして、丹後半島巡りです。まず、新井(にい)の千枚田に寄ってみましたが、稲刈りが終わった後で、株跡ばかり。作り手が減り休耕田が増えているのは淋しい光景でした。この夏の大雨で海岸沿いの道路が通行止めになっているため半島を横断する山道を廻って丹後半島の北端、経ヶ岬へ。

途中、山が高くなり、海へせり出してくる景観は、壮大です。経ヶ岬展望台から、灯台までは、山道を400m歩きます。ちょっとした登山です。この灯台は、「喜びも悲しみも幾年月」の舞台となった所だそうです。白亜の灯台の向こうに、緑の山と断崖が続く風景は、厳しくも、詩的でした。
 経ヶ岬からは一路南下、丹後松山、夕陽ケ浦で夕日を眺めて、舞鶴に戻りました。力強く荒々しい風景が続く能登半島が男性的とすると、それよりも南にある丹後半島の風景は、どこかこじんまりと穏やかで女性的。そんな印象を受けました。

 
 天橋立駅で降りると、まわりはすっかり観光地。文殊堂の門前町にある洒落た喫茶店に入り、丹後の地豚?トンカツの昼食をとったあと、文殊山山頂にある飛龍観展望所にリフトで登ってみました。天橋立をはさんで、有名な笠松公園とは対岸になります。笠松公園から見た橋立は真っ直ぐですが、こちらは手前のほどない所で橋立が屈曲し、なかなか変化がある面白い眺めです。又のぞきは笠松公園がいいですが、単純に眺めるならこちらの展望所のほうが上かもしれません。

 この時点で11時。時間もあるし、Tarlinが北近畿丹後鉄道に乗りたいとのたまいいます。西舞鶴から兵庫県豊岡までを結ぶ第三セクター路線で、青に赤と緑のラインが愛らしい車体が旅心をくすぐります。せっかくなので、天橋立のある宮津まで行ってみることにしました。昨日車で通った所を、今日は列車で向かいます。道筋や高さが違うので、また新鮮です。

 眺めを堪能した後、展望所を降りて、橋立を歩いてみました。静かな波の音を聴きながら、白砂に松の並木が続く道を歩いていると、江戸の頃から時が止まっているようです。歩けるところまで歩いて引き返し、文殊院を覗いた後は、門前で「知恵の餅」をお土産に買って、舞鶴に戻りました。この知恵の餅、赤福餅をさらりとさせたような風味で美味でした。