9月になりました。先週は雨の日が多く涼しい日が続いたので、このまま秋らしくなると思いきや、今週に入ってからは天気も好く、今日はまるで夏が戻ってきたかのような暑さ。それでも暦の上は、秋。12月まで福井に居ることになったTarlin & Erill、せっかく読書や芸術の季節だし、あと4ヶ月あるならば、とErill、一念発起、昨年夏からほぼ一年独学していたピアノを先生について習うことにしました。
 ネットで探したところ、市電の福井鉄道で10分の所に先生を見つけたので、月4回週一でお願いすることにしました。指導歴30年のベテランの先生です。暑い中、初めての場所だからとわざわざ駅まで迎えに来て下さり、和やかに話をしながら、徒歩10分足らずで先生のご自宅に到着。レッスン室には、カワイのグランドピアノ!何か弾いてみて下さい、と言われ、4ヶ月がかりでほとんど無理矢理弾けるようにしたショパンのノクターン2番を恐る恐る演奏。子供の頃に中断、いやほとんど挫折して先生の御前で弾くのは、かれこれ2○年ぶりでしたが、先生の穏やかな雰囲気と、グランドピアノに触れられる喜びで、あまり緊張せずに弾けました。カワイの音は、深みがありまろやか。カワイを弾いたのは初めてでしたが、ヤマハの音よりErillの好みかも、です。
 弾き始めると、先生、なんとメロディーを朗々と気持ちよさそうに歌い始めるではありませんか。ちょっと驚きましたが、これはこれれでガイドメロディー(?)のようで弾きやすいかもしれません。
 そして、先生のアドバイスです。無謀でもブルグミュラーの後半でこの曲にチャレンジし、ソナチネもろくに弾いてないErill。「そうですね、この曲は順番でいうと、ソナチネを全部終えて、ソナタを2,3曲弾いてから、取り上げるものなんですが」とのお言葉。どひゃ〜、やっぱり、ひゃははは〜(^▽ ^; 要は2レベルくらいすっとばしてます。自分が思った以上に、無謀な選曲であったことが判明。「なので、何ヵ所か技術的に厳しい箇所がありますが、この曲のようにメロディーをみんながよく知っている曲は、弾けるものなんです。どうしましょう、仕上げてみますか?」 先生のこのお言葉にほっと胸をなで下ろしつつ、ほとんどこの曲のためにピアノを再開したようなErill、喜んで頷いたのでした。早速、先生から何カ所か指摘があり、改めて、独習の限界と効率の悪さを身をもって知ったのでした。
 曲はこれでいいとして、指の機能ための練習曲と、曲を弾くテクニック用の練習曲がそれぞれ必要という先生のお話。指の機能用は先生はハノンを使っているそうですが、私がハノンを持っていおらず、かわりに「ピアノのテクニック」と「リトル・ピシュナ」を持っていると言うと、そのどちらでもいいので次回持ってきて下さい、ということになりました。どうしよう、とりあえず両方持って行こうかな?
 テクニックの練習用には「ツェルニー30番」をやることになり、前に自分でちょろちょろと弾いたことのある一番を弾いてみることに。弾き始めてすぐに先生のご指摘が。「右手の三連音符の練習ですが、粒が揃っていませんね。基本的なことでご存じかも知りませんが、三連音は、第1音にアクセントをつけて、心持ち強めに弾いて、次の2音は粒を揃えましょう。」 ご存じありませんでした(~▽~;。もしかしたら大昔に教わったのかもしれませんが、ろくに吸収してないようです。初日にして、楽譜に書かれていること、ないことの両方で、大切な基本が出来ていないことが、次々と判明。目から鱗です。やはり、先生は有り難いです。
 そしてツェルニーの練習曲と言えば、ドミソ♪ドミソ♪そのままのような機械的メロディーですが、なんとこちらも気持ちよさそうに歌ってらっしゃるではありませんか。音楽の基本は「歌」。先生がここまで気持ちよく歌ってくれると、生徒も自然に感化されて、機械的な旋律でも歌おうと心がけるようになるのかもしれません。
 こうして、初レッスンは終了。これから毎週楽しみです。 

2005年9月1日(木) 歌うピアノの先生

       
 

2005年9月4日(日) いざ、選挙へ

 皆様、もうすぐ選挙ですね。 普段は、しらけているので興味が無いのですが、今回だけは何があっても投票に行かなければと思っていました。 その理由は・・・ お暇な方は、過去ダイアリーの 2004年8月19日 と 2004年9月5日 を読んで下さいませ。  読まれました? ということで、今回の小泉首相の郵政民営化と私たちは、浅からぬ因縁があるのです。 この因縁以来、Tarlin は郵政民営化にかける小泉首相を陰から応援していました。 だって考えても見て下さい。 やっとおじいさんの呪縛から解き放たれるのですよ。 よく医者の子供は医者になるべく親から教育されると聞きますが、そんなのとは比較にならないくらいの困難な事を親から課せられた子供の気持ちとはいかばかりでしょう。 私、Tarlinなどはきっとぐれてしまいます。 小泉首相を「独裁者」って言う方もおられますが、彼にとって郵政民営化さえ果たすことができれば、もう後はどうでもいいのです。その証拠に息子も俳優にしちゃったのです。 そんな彼の悲願をどうしても成就させてあげたいと思っていました。それが、どうでしょう。国会の一部の、人の情を解さぬ人達(誰とはいいませんが、一族の経営する○ナミ運輸の1250億円の郵政独占利権を守りたい某○民新党の党首とか・・・)に、小泉家百年の悲願が阻止されてしまったのです。 Tarlin は世の無情さを呪うとともに、自分たちのホームページに2度も話題となったよしみで、なんとか悲願を達成させてあげたいと思い、久しぶり(この辺が、不真面目なところですな)に選挙に行くことを決意したのでした。
 しっ・かっ・しー なんと新たな壁が立ちはだかりました。 投票日の9月11日は、出勤で福井を離れることが出来ないのです。 悩んだあげく(そんなことで悩むよなって感じですが)、昨日3日、夜勤明けの体に鞭打って、京都に帰り、今日、無事に期日前投票を済ませることができました。 選挙のために、疲れた体に鞭打ち福井から京都まで帰る。 なんて立派な国民なんでしょう。 では、一週間後を楽しみにして、お休みなさい。 
 

 台風14号の影響で昨日は一日中、強風が吹きすさびました。それから、一夜明けた本日8日、雲の流れのまにまに青空が覗いています。土曜・日曜に出勤のため、ちょうど8日、9日とお休みのTarlin、台風一過の絶好のタイミング、と、夏に行くつもりにしていた能登路へ小旅行することにしました。
 能登半島の付け根へは、福井から高速で2時間半もあれば到達できます。今年は、春から夏にかけて、ぼおっと霞んだ空を見続けてきましたが、今日は澄みわたるような初秋の青空。その下には紺碧をたたえた日本海。ただし、台風の名残で、波は非常に荒く、沿岸は砂を巻き上げて濁っているのが、かえって迫力を増しています。
 

2005年9月8日(木) 能登晩夏 一

 Tarlinが、選挙で郵政民営化応援団員となっています。Erillも、基本的には民営化賛成で、そこは大いに応援したいのですが、民営化反対にまわった野党第一党へのがっかり感やら、郵政だけが争点でいいのかとか、アメリカ一辺倒の外交で大丈夫か、とか、他にいろいろ思うところがあり、どこに投票するかぎりぎりまで悩みました。政権交替が遠のいたら、それは政策本位で真っ向勝負しない野党自らの責任、ということを諸政党にはしっかり自覚して頂きたいものです。
 さて、選挙で福井と京都をとんぼ返りで往復した土曜日と日曜日。夕食を家で取るにはどちらも遅い時間となったので、たまにはラーメンを、と、京都では久々に天下ー品(あのこってりしたとんこつスープは、時々無性に食べたくなります)、福井では8番に始めて入りました。二夜続けてラーメンになったのは、偶然ですが、ちょっと、いやかなり不健康?
 8番は、国道8号沿いにあるからこの名が付いた福井が本拠のチェーン店です。Tarlinは塩味、Erillは味噌を頼みましたが、少し太くて平たい麺はなかなかのしこしこ感、スープの味もしっかりして、正直あまり期待していなかったのですが、それを裏切る美味しさです。でも、関西の美味しいところを基準にすると、今一つだけ垢抜けてないかも、といったところでした。ソースカツ丼、団助の胡麻団子、おろし蕎麦、新鮮魚介、回転寿司と、順調に(?)福井の味を試している我々、次は、何に挑戦しようかな?

2005年9月5日(月) ラーメン二種

 能登路の二日目。珠洲から輪島の朝市に向かいます。駐車場に車を止め、10時頃、観光客でいっぱいの朝市の通りに入ると、市のおばちゃんから「お姉ちゃん、買うて。」「兄ちゃん、蟹。」の掛け声が、ひっきりなしに飛んできます。しかし、何故に9月にカニさんなのでしょう。商魂たくましさにびびりながら、山芋、干しエビやみりん干し、岩のり、お土産の煎餅などを調達。市の外れのお店の軒先で、昔懐かしいビー玉瓶のラムネを売っていたので、思わず一服。
 

2005年9月9日(金) 能登晩夏 二

 次の連休もご奉公のため、今日はお休みのTarlin。能登の海の後は山、というわけではありませんが、、勝山の平泉寺白山神社にふらりと詣でました。平泉寺白山神社は、司馬遼太郎の『街道を行く 越前の道』の中で、その中世の隆盛と、境内を埋める苔の美しさが記されています。これを読んで、すっかり行きたくなったTarlinとErill、司馬遼太郎が「西芳寺よりもよい」と讃えた苔とは、いかに?と期待に胸がふくらみます。それにしても、お寺と神社の二つの名がくっついているのはなぜ?もともと白山信仰の盛んなりし頃、白山への越前側の登山口として栄えた境内には、神仏習合の修験道の実態を反映して、神道が48社、天台宗が36堂6,000坊を構えていました。それが、明治の廃仏毀釈で白山神社だけが残されたのですが、今も盛期の呼び

2005年9月12日(月) 平泉寺白山神社

 昨日は一日の大阪勤務を挟んで、Tarlin本日は再びお休み。出来るだけの用事を済ましてしまおうと、一月遅れのお盆と一週間早いお彼岸を兼ねて、墓参りに出かけました。墓所は奈良の南、葛城山の麓で、京都の南端にある家からは、車で一時間半もかかります。残暑が厳しく、汗がたらたら吹き出します。
 帰り、お昼ご飯に「神座(かむくら)」に寄り、ラーメンを食べました。あっさり味の醤油スープの洗練度・・・ やはり、福井の筆頭チェーン、8番ラーメンとは違います。関西のラーメンと福井のラーメンを比べるのは、関西のくたびれたネタの回転寿司と福井の新鮮で甘いネタの回転寿司を比べるのと同じくらいの愚行かもしれません。
 墓参りから帰って、今回の京都帰郷のもう一つの目的、いやもしかしたら最大の目的、先週木曜日に能登旅行で見えなかった『宮廷女官チャングムの誓い』の鑑賞会です。物語は佳境、クライマックスに向けての上り坂、頂上の一歩手前です。手に汗握る展開にテレビの前で画面にくいいるように見ていると、終盤近く、悪玉の女傑がアップになり、法廷(?)で大啖呵を切る一番いいところで、画面がいきなり強制終了(@_@)。DVDのHDDがいっぱいになってしまったよう・・・ネットで見ると、この後、次回につながる大展開があったようです。無念・・・ 12月のまアンコール放送で待たねばなりません。トホホ。
 失意のうちに(?)夕方6時過ぎに京都を出発、11時過ぎに京都に戻ってきました。帰ってくると、夜風が涼しく、半袖では寒くていられないほど。北陸の秋は、早足のようです。

2005年9月14日(水) DVDの無念

2005年9月15日(木) 『チャングム』過熱

 朝から爽やかな秋の空が広がり、涼しい風が吹いています。刈田に残る水たまりの水も、澄んだ光線にきらきらと輝き、その透明感にそこはかとなく哀しくなります。
 Tarlinは早朝からお仕事、Erillは歯医者にピアノのレッスンと、少し慌ただしい一日を終えて、夜はお待ちかね、『チャングムの誓い』。NHKの海外ドラマにつきものの、前回のダイジェスト。このせいでカットシーンが増えるし、いつもは邪魔なのですが、今回はおかげで、昨日の録画の失敗で見逃したラストの大どんでん返しの場面から、物語の最高潮を見ることが出来、満足です。
 その『チャングムの誓い』、10月8日からNHK総合で夜11:00から第一話から放送が始まります。我が家では早くも期待で過熱気味になっています。特にTarlin母様は、『冬のソナタ』以来、韓流ドラマにはまり、ネット配信で数あるドラマの結末だけを片っ端から視聴するという熱心さでありながら、『チャングム』だけはなぜか見逃しておりましたが、『チャングム』に寄せる期待も並々ならぬものがあります。
 Tarlin母様、カレンダーに放送開始日を書き込んだかと思うと、「Erillさん、忘れないように毎日電話ちょうだい!」 毎日ですか〜(@_@)。直前にお知らせ電話、では足りない?そして、「毎回録画しなきゃ!DVDのディスク買いだめしましょう!」 既に、自家用保存版に向けての準備がちゃくちゃくと進められております。でも、今のNHKの放送分は吹き替えでカットが多いので、冬ソナのように総合の反響次第で、完全字幕版が放送されないか、期待を抱いてしまいます。
 かたや、BSの放送を第一話から見ているErill両親、こちらは最終回に向けて過熱し、チャングムにはまるあまり、飼い犬「もんた」の名前を「チャングム」に変えようか、など訳の分からぬことを申しています。それはやめた方が・・・(-_-;
 10月からの総合での放送、途中から見始めたTarlinとErillは、最終回を見ながら最初を見るという状況になりますが、今から楽しみです。掛け値無しに面白いので、見たことのない方も、名前だけは聞いたことがある、という方も、だまされたと思って、ぜひ一度見られることをオススメします。韓国朝鮮の「昔」にも親しみが持てますよ♪

  関の鼻、ヤセの断崖、義経の舟隠しの荒々しい海岸の景観を巡って、北上していると、「名水百選 古和秀水」の案内板があります。名水ファンのTarlin、これは捨て置けないと、案内板に沿って、山道を入っていきました。水を汲むべく、Erillにペットボトルに残っていたジュースの飲み干しを命じ、準備万端で名水の水場へ辿り着きました。その場で汲む水の清冽な味・・・のはずが、「飲料には必ず煮沸を・・・」との注意書き(T_T)。残念。気を取り直して再び海岸沿いの道に戻ります。輪島を越え、白米(しろよね)の千枚田の稲刈りに、荒々しい自然の中のつつましい人の営みの風情を見、曽々木海岸の窓岩の風景にしばし佇んだ後、珠洲の宿へ向かいました。予約サイトのクチコミで料理が評判になっていた民宿「まつだ荘」に泊まりました。台風の後で地物の魚が手に入らなかったとの話でしたが、そんなことはどう

  どこまでも続く千里浜の砂浜を眺めながら、能登の西岸を北上。気多大社に寄って、能登金剛の厳門へ。遊覧船に乗るつもりが荒海で欠航。仕方がないので、船着き場近くの土産物屋で、わかめうどんの昼食。北陸でうどん?と思ってしまいますが、北陸では、富山はラーメン、福井はそば、石川はうどんなのだそうです。麺も出汁も関西風で、柔らかい喉越しの麺でした。

でもよい、甘い、こりこりした歯ごたえのお造り、とろけるような能登牛の網焼き。お料理の味だけでなく、お風呂もヒバで、柔らかい木の香が立ち込め、いつまでも入っていたい心地よさ。館内は、簡素ながら、改装直後でピカピカで、気持ちよく過ごせる宿でした。
Tarlinの雑感・・・
「ヤセの断崖」 何故、この名が付けられているかというと、あまりの絶壁で、「身も痩せる」などの意味があるそうです。医者から「痩せなさい」と諭されている Tarlin にとって、そんな素敵な場所で、 こ・ん・な 見つけ物がありました。
「もしかして、これって・・・」 人生に疲れた人に、やんわりと勇気を与える標識なのでしょう。きっと、断崖から身を投げる人が多いのですね。 し、し、しっかーーーし。 もう少し歩を進めると、 こ・こ・こ・ん・な 物が、
「あっちゃー」って感じです。 せっかく金八先生風に、優しく諭してくれて、もう一歩というところで、いきなり、「魁 男塾!」風です。 うーん、この標識を作った人って・・・

 次は、物作り大好きTarlinの希望で、珠洲の塩田村に向かいました(晴天時は露天で見る物を、の方針で、民俗好きのErillのリクエストのキリコ会館は、次回になりました)。珠洲では、日本海の海を汲んで、浜に整地した塩田に巻き、塩のたまった砂を集めて塩を煮詰める、昔ながらの揚げ浜式塩田が、日本で唯一行われているのです。珍しい塩田や釜屋を見学し、お土産に売っていた塩も買ってしまいました。
 その後、日本海を左手に見ながら、 能登の突端、禄剛崎まで北上。台風から二日後、波も静まり、昨日は砂で濁っていた波際も澄んでいます。能登半島は福島県と同じ緯度だそうで、空も海も、北国の淋しさが漂っています。禄剛崎で灯台に立ち寄った後は、見附島、恋路海岸と、東海岸の景勝地を尋ねながら九十九湾まで南下しました。

九十九湾では今日こそ船に乗ろうと、「遊覧船 グラス・・・」の看板を頼りに、遊覧船乗り場へ行きました。切符売り場のおじさんの話では、5分もすれば船が出ると言うので、船着き場で待っていると、くじらの格好をした船が現れ、「あ、あれ?」と思っていると、接岸する気配もなく去っていきます・・・ 「?」と思っていると、別の小さな船が来て、乗り場に着けました。どうやらこれのようです。乗ってみると、「あれ?」 グラスボートでありません。変わりに、「途中で海中グラスで観察のため、5分ほど船を降ります」との張り紙。

「?」と思いつつ、穏やかな波間に浮かぶ蓬莱島の美景に見とれながら、船に揺られていると、桟橋を汲んである所に船が接岸しました。下りてみると、生け簀が並び、天然の真鯛、ぶり、蛸までもがうよいよ泳いでいます。餌のスイカを放り込むと、ものすごい勢いで魚が飛びかかり、海面を飛んでいます。パラオのウメイロモドキの群れのどん欲を彷彿とさせる、野生の光景です・・・「グラス→」と書いてある矢印の方に行くと、桟橋の下に階段があり、ガラスの小さな壁が作られています。覗くと、アジがうようよ・・・確かに、めったに見られない光景です。生け簀の間には、グラスボートの遊覧船で見えるスズメダイもいて、珍しい拾い物をしたような気持ちで遊覧船を下り、「でも看板にはグラスボートと書いてなかったっけ?」と改めて看板を見ると、「九十九湾遊覧船 魚グラス」 ・・・確かに、グラスボートとは書いてありませんでした。
 この後は、ひたすら半島を南下。途中、オーストラリア人のシェフが営むと海沿いの小さな民宿のベーカリーに寄ってみました。ピザが目当てだったのですが、午後3時で既に終了していたので、パンを食べてみました。国産自然素材使用なので少し高めですが、ふわふわの生地に、クロワッサンやデニッシュのようなバター入りのパンもしつこくなく、デパートのパンにひけをとらない、バランスのとれたとてもいい味でした。朝食用にバゲットを買って、後は一路、福井まで帰りました。野趣に満ちた自然に、素朴な人の生活の息づく能登路、今度は真冬に波の花を見たいものです。
 

名であった平泉寺の名で親しまれているのです。 まずは、神社参道の手前にある「まつや」というお蕎麦屋で、おろし蕎麦で軽く腹ごしらえです。少しつなぎが入っているのか、滑らかですが、蕎麦本来の風味は少し薄い蕎麦でした。
 参道の登り口には「白山神社」の大きな石柱が立ち、数百年の樹齢を感じさせる立派な杉木立が続いています。石段とその両脇の苔には、先週の台風で散った杉の枝が、散らばっています。境内には、苔の絨毯が広がっていました。西芳寺のような厚みのあるベルベットのごとく輝く人工の絨毯ではなく、自然のままに茫々と広がる、飾らない絨毯でした。広い境内の奥には、暗い杉木立の下、白木の社がひっそり佇んでいました。往時の規模を伝えながら、今は世の流れから取り残された寺社の、鄙びの佳さでした。
 平泉寺が暑く喉が渇いたので、近くの六呂師高原に行ってみました。日本百名山の荒岳を背景に、小さなスキー場と、温泉、300頭の牛のいる牧場があります。標高600mで風は爽やかで、気持ちよい緑が広がっています。牧場を覗いた後、アイスクリームを食しましたが、味が濃く、まろやかでした。
 いったん福井の家に戻り一休みしてから、翌13日のTarlin大阪勤務に備え、夜に京都に移動。移動の多い9月前半です。

2005年9月19日(月) 敬老の日の想い出

 敬老の日。Tarlinは最初からお祖父ちゃん、お祖母ちゃんがおらず、何もしなかったそうですが、Erillには母方の祖母に贈り物をする日でした。Erill、祖父はいなかったのですが、祖母は母方も父方も元気で、特にいっしょに住んでいた母方の祖母にはかわいがってもらっいました。
 あまり気のつく質ではないErill、特に大学以降、親元を出て独り暮らしをするようになってからは、何もしてあげられませんでしたが、この日くらいは感謝の気持ちをと、スカーフやチョッキなど普段着になりそうなちょっとした洋品を買っては送っていました。
 持病もなく、健康そのものだった祖母。ただ、4,5年前から歩く歩数がめっきり減り、一日に何度か庭先を歩く程度になっていました。そんな祖母に、少しでも出歩いてもらおうと、3年前の敬老の日の贈り物は藍染めの帽子にしてみました。
 この年はたまたまお盆の帰省が延び延びになり、敬老の日に両親宅に戻ることになったTarlinとErill、京都から徳島南部の家に戻る途中、祖谷渓で一泊、その後、藍商人で栄えた脇町に寄り、卯達の町並みに面した江戸時代から続く藍染めの老舗で、藍染めの帽子を買いました。夜、両親の家で、敬老の日のお祝いに帽子を手渡された祖母は、その場で帽子を頭に被ると、帽子の鍔を確かめるように、眼差しを上に向けて嬉しそうに笑っていました。
 しかし、これが最後の贈り物になってしまいました。それから2ヶ月も経たない11月の始め、肺炎にかかり逝ってしまった祖母。告別の日、母に帽子を出してもらい、祖母が被ったのか、尋ねてみました。足腰の弱っていた祖母が、被って出かけることはついになかったと、母。帽子は、棺に収めました。
 この世で被ることのなかった帽子。向こう岸で帽子を被り、祖母より半世紀先に逝った祖父と並んで歩いているでしょうか。何10年後か分かりませんが、また会えることを祈りながら、想い出す敬老の日です。

2005年9月22日(木) 次の課題曲は…

 Erill、ピアノの先生について4週間が経過。進み方はゆっくりですが、少しずですがよくはなっているようです。どうしても弾きたいという一心で練習したショパンのノクターン作品9-2。レベル的にはかなり無謀で選択ありながら、それを何ヶ月もかけて何とか弾けるようにしたErillの努力をひとえに憐れまれた先生、少しでもよくして下さろうとErillが消化しきれないくらい沢山のアドバイスを下さり、今の技術レベルで大体出来るところまでは出来たであろう、ということで、ノクターンはひとまず終了になりました。
 次は、もう少し易しい曲をしましょう、という言葉に「ああ、やっぱりノクターンは相当な背伸びだったんだな」と反省しながら、次はどんな曲だろう?もしかしたら少し楽できるかも(?)と浅はかな期待で先生の選曲を楽しみにしていたら、先生、何と「子犬のワルツをしましょうか?」 こ、こ、子犬のワルツ、ですか〜?(@_@) それって、易しいんでしょうか???
 いや、確かに譜面上はノクターンよりもずっと単純ですが、何せ、あのころころ転がるようなスピードです。「せ、先生、でも、子犬のワルツって、早いですよね?」「ピアニストはものすごいスピードで弾きますけど、そんなに早く弾かなくていいんですよ。同じショパンだし、譜面はノクターンよりずっと易しいので、やれると思いますよ。」実際、先生の今の生徒さんで、私と同じくらいの練習曲をやっている人で弾いている人がいるそうです。
 完全にびびりモードのErill、思わずゆったりテンポのシューマンのトロイメライとかはどうでしょう?と口走ったのですが、トロイメライは内声が三〜四声に分かれるので、かえって表現が難しいとのこと。とりあえず次回Erillの手持ちの名曲集の楽譜を持参し、決めることになりました。
 でも、他の曲を云々するよりも、Erillも一度は弾いてみたい曲だし、何より先生が推薦する曲をやる方が先生も熱心によく教えて下さるかな、と思うので、やはりここは子犬のワルツにチャレンジしてみようかな?また楽しみが一つ出来そうです。

2005年9月29日(木) 子犬、歩き出す 

 彼岸を過ぎ、土手にはコスモスが揺れています。土日返上でご奉公のTarlin、微妙に風邪気味のErill、これということもなく淡々と毎日が過ぎていきます。そんな中で一週間に一度のErillの楽しみ。ピアノのレッスン♪ レッスン室に入るなり、先生「暑くありませんか?冷房を入れましょうか?」え、確かに今日は天気が好く、燦々と日差しが降り注いでいますが、長袖一枚でちょうどいい気候。どちらかというと冷え性のErillには、窓を締め切った部屋でもちょうどいいくらいです。「あ、大丈夫ですが。何せ生まれ育った徳島は暑いので。」先生には、今の気温は暑いようです。冬が寒い福井の人は、寒さに強く、暑さに弱いのかもしれません。
 さて、レッスンです。今日から新しい曲を、ということで、手持ちの名曲集で、「トロイメライ」や「ユーモレスク」など、めぼしい曲を譜読みしてみたのですが、やはり「子犬のワルツ」が一番譜読みが楽。そもそも、弾けないくせに、前から時々譜面を辿って遊んでいたし(^^;。結局、家でそのまま片手練習をして、今回のレッスンでは両手でゆっくり合わせするところまでやってしまいました。次は、ワルツのリズム感とスケールの指繰りに気をつけて、両手でゆっくり練習してくることに。足はとろくとも優雅に走る子犬を目指せたらと思いますが、今の所、よちよち、とたとた(^^;と歩き始めた感じでしょうか。
 かくして、本日の本日のポイントは、
 1.レガートで弾く場合は、指を鍵盤の上に載せるくらい近い位置から弾く。
 2. スタッカートは、指をやはり鍵盤の間近から落とし、弾いた後で素早く高めに上げる。
 1は、「ピシュナ」「子犬」での指摘。2は、「ツェルニー30番」2番での指摘。特に、全調転調する「ピシュナ」は、調によって粒が揃いません。指の訓練曲なのに、同じ曲にもう2週間もかかっています。大分良くはなってるそうなので、とにかく時間がかかろうとも全長綺麗に弾けるようにしようとのお話。そうすると、後で随分と楽になるそうです。Erill、大いに納得。曲のような応用編よりも、ごまかしのきかない基礎の方が難しいかも、と思う今日このごろ。何事も、基礎は大事です。

2005年9月30日(金) 日帰りツアー予約

 爽やかな晴れ空に秋の風が吹き始めると気になるのは、紅葉。福井の平野部の紅葉は11月で、京阪神より少し早目の時期だそうですが、福井から日帰り圏内の北アルプスの高山帯は、そろそろ紅葉のまっ盛り。10月はTarlinのお仕事が佳境に入り、休みの日数もかなり厳しいのですが、関西からは2〜3泊の旅行になる所が、日帰り出来る気楽さは捨て置けないと、立山行きの日帰りバスツアーを予約しました。
 本当は今週末を考えていたのですが、どうも天気が悪そう。現に今日も昼過ぎから曇ってきたし。ということで、来週10月9日日曜日にツアーを予約しました。10月8日土曜日は折しも『チャングムの誓い』総合放送の初回。放送が夜11時からと遅いので、翌日の早起きは眠気との闘いになりそうですが、文字通り目も覚める鮮やかな紅葉と雄大な山景が見られるように、お天気が好いことを祈るばかりです。